肝臓に良いとされる、ウコン。
あのパワーは、どこからくるものなのでしょうか。
呑みすぎた翌日も朝からスッキリ、目パッキリ!
そんなウコンとの、上手なお付き合いの仕方を調べてみました。
ウコンはインドから中国にかけて栽培されているショウガ科クルクマ属の植物です。
日本でも中国から琉球王朝に伝来し沖縄県で栽培されています。
お酒を呑まれる方なら、一度は摂取したことがあるかと思いますが、この効能といったら、肌身でわかるほどの効果だと感じられます。
ウコンの有効成分は独特の黄色い色素「クルクミン」と「精油(エッセンシャルオイル)」です。
身近なところではカレーやタクアンの黄色がクルクミンの色素です。
クルクミンは腸内でテトラヒドロクルクミンという強力な抗酸化作用をもつ物質に変換されます。
一般的にウコンの効果・効能は肝臓を守り二日酔いを予防すると言われていますが、実はこの効果・効能は体験的なものでしかなく、しっかりとした科学的データに裏付けられたものではないそうです。ウコンの効果・効能としてしっかりとした検証がなされているのは「消化不良の改善,健胃効果」です。
その他のウコンの効果効能は検証は不十分ながら、抗酸化作用,免疫のコントロール作用,抗ガン作用,抗炎症作用,肝臓保護作用などが示唆されていますが、人間での検証は充分に行われているレベルではありません。
ウコンには秋ウコン(鬱金),春ウコン(姜黄,キョウオウ),紫ウコン(ガジュツ)がありますが、含有される成分や健康効果が全く違うそうです。
一般的にウコンといった場合は秋ウコンをさします。
そんなウコンですが、摂取方法は、食品で摂取する方法、粉末で摂取する方法、サプリメントで摂取する方法があります。
実は、効果ばかりを謳っているウコンですが、肝機能に問題がある人・脂肪肝の人などは悪影響が出る可能性があるといいます。
日本人の成人の3人に1人は脂肪肝といわれているのだから、決して他人事ではありません。
肝機能に異常がある人にウコンを勧められない理由は、ウコンによる肝障害が報告されているからです。数ある健康食品や民間薬の中でもウコンについての報告が多いそうです。
そして、もう一つの理由が、ウコンに含まれる「鉄」だそうです。鉄は一部の肝臓の悪い方に悪影響を及ぼすことがわかっています。その代表が、C型肝炎や脂肪肝です。
となると、鉄分の多いシジミなども同様ですね。
しかし、ウコンによる薬物性肝障害の報告例が多いのは、ウコンがことさら危ないからではなく、ウコンを飲んでいる人が多いからだと推測されます。
ただし、ウコンを煮出したり、ウコンを精製した粉を飲むなど、濃度が高いものを長期間、大量に飲むのは注意が必要です。
健康食品などは、1回飲んだだけで問題が起こるというケースは少なく、継続的に飲み続けて肝臓を壊すケースがほとんどです。
そして、肝臓に問題のある人、例えば脂肪肝の人などは過剰摂取に注意が必要だと言えるでしょう。
「肝機能を高めるから」と信じ、積極的にウコンやシジミなどを摂取している人は少なくないはずです。
「肝臓にいい」「鉄分が豊富だから」とレバーを食べるようにしている人もいるでしょう。
ウコンに限ったことではなく、どの健康食品についても言えることですが、副作用が全くないものはまずありません。
健康に不安のある方こそ、医師に相談してから飲み、飲み続ける場合は定期的な検査を受けることに限りますね。